吐出の羅針学

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綺麗な塗布をするための極意

液ダマリができてしまう、塗布線が蛇行してしまう、コーナー部の線が太くなってしまう、などの問題でお困りではありませんか?狙い通りの塗布ができないと品質や生産効率が低下してしまいますが、実はちょっとした工夫で綺麗な塗布線を作ることができます。そこで今回は、 綺麗な塗布をするための極意を皆さんにこっそり伝授したいと思います。

塗布面とニードルの角度

塗布面に対するニードルの角度ニードルの角度は、基本的に塗布面に対して垂直にします。


吐出速度と塗布速度の関係

塗布形状を安定させるには、吐出速度を塗布速度と同じ、もしくは吐出速度を若干速くするのが最適です。吐出速度が速すぎると塗布液が盛り上がり、ニードルに付着します。また、逆に吐出速度より塗布速度が速いと、液を引っ張りながら塗ることになり、塗布幅が安定せず途切れたりします。

特に幅広ノズルの場合は傾向が顕著で、吐出速度が速いと塗布面と液の間にエアを巻き込んで、全体的にしわができてしまいます。逆に塗布速度が速いと塗布幅が安定せず、両サイドにエアを巻き込むことになります。

塗布のサンプル

塗布形状とクリアランス(塗布面とニードル先端の隙間)

ニードルと塗布面のクリアランスクリアランスはニードル内径と同じ、もしくは若干小さくするのが最適です。クリアランスが小さすぎると左右に押し広げられ盛り上がった液がノズルに付着してしまいます。逆にクリアランスが大きすぎると液が左右にくねくねと蛇行したり、ワークに付着しない、などの問題が発生します。

塗布サンプル

コーナー部のロボット軌跡また、コーナー部では液がロボットの軌跡よりも内側に塗られ、目標とずれが生じます。

幅広に塗る場合も基本的に同じで、クリアランスは平ノズルのスリット(ノズル開口部)高さと同じにするのが最適です。特にスリット幅が高さの50倍以上(※)になるとクリアランスの管理をきちんと行う必要があり、塗布速度も押さえ気味にします。

数値は目安です。液により異なります。

クリアランスが変動したり塗布速度が速すぎると、塗布面と液の間にエアを巻き込んでしまうこともあります。

平ノズル

平ノズルでの塗布


塗布開始点での液ダマリ解消

液ダマリのサンプル通常は、ニードルが塗布開始点へ移動したらロボットが一旦停止して吐出開始となるため、開始点で液ダマリができやすくなります。

一旦停止せず、助走をつけて走りながら吐出をすると液ダマリができにくくなります。


ロボットがコーナー部で減速してしまう時の対処方法

エア圧で液を押し出すエアガンのように、急激な塗布速度の変化に吐出速度を対応させられない装置をお使いの方も多いと思います。その場合、コーナー部で塗布速度が減速してしまう多関節ロボットなどは、吐出速度が直線部と同じままで、コーナー部を塗布してしまうと、塗布線が太くなってしまいます。

コーナー部の塗布速度を基準に全体の塗布速度を設定すると、直線部とコーナー部の速度差は小さくなり一定速度に近づくため、均一な塗布線に近づきます。但し、タクトタイムは長くなってしまうデメリットがあります。

このデメリットを解消させる装置は、塗布速度に応じて瞬時に流量調整ができるサーボモーターを使用したディスペンサーです。ロボットの付加機能と合わせて使用すると、更にコーナー部での均一な高速塗布が可能です。

コーナー部の塗布サンプル


斜面への塗布の仕方

基本的に塗布は塗布面に対して垂直に塗ることが望ましいですが、どうしても塗布面と垂直に塗れない場合は、下から上に塗布します。上から下に塗布すると液をニードルでかき取ってしまい、塗布幅や塗布量が乱れてしまいます。

斜面への塗布方法

塗布終了点での液ダマリ解消

液ダマリのサンプル通常は、塗布終了点に到着してから吐出終了動作が行われるため、液ダマリができやすくなります。よって、塗布終了点に到達する前に吐出終了すると液ダマリができにくくなります。


塗布終了点での液の糸引き解消

高粘度液の場合、塗布が終了してもワークに付着させた液とノズルの間で液が糸を引き、ワーク上に落ちることがあります。その場合は、塗布した上をなぞるようにノズルを逆に戻すと糸引きを解消できます。戻り動作の分だけ時間がかかりますが、液の糸が切れるまで塗布終了点でじっと待っているよりは、はるかに時間を削減できます。また、吐出した液を若干吸い込んで液切れを良くするサックバック機能付きディスペンサーであれば、更なる時間短縮が可能です。

糸引き解消

塗布線の綺麗なつなぎ方

FIPG・CIPGのような液状ガスケットなどを円形もしくは角形に塗布する際に、塗布線を切れ目なく、つなぎ合わせたい場合は下記のように塗布します。まず、塗布開始点では、ディスペンサーを移動させながら吐出を開始し、液ダマリを発生させないようにします。次に塗布終了点でディスペンサーを停止せず、移動させたまま吐出を止めます。これで、液ダマリなく塗布線を綺麗につなぐことができます。ほとんどの液が納豆のように糸を引くため、その糸を塗布したところに付着させると更に良くなります。

塗布線のつなぎ方


キャプテンメッセージ

綺麗な塗布するための極意

  1. ニードルの角度は塗布面に対して垂直にする
  2. 吐出速度を塗布速度と同じ、もしくは吐出速度を若干速くする
  3. クリアランスはニードル内径と同じ、もしくは若干小さくする
  4. 塗布開始点での液ダマリは助走をつけて走りながら吐出をすることで解消できる
  5. 塗布終了点での液ダマリは塗布終了点に到達する前に吐出終了することで解消できる
  6. 塗布終了点での糸引きは塗布終了点から折り返したり、オーバーランをさせると解消できる

みなさんも是非、実践してみてください。

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